ライフ･フラッグコーチング

 

12年前、兄が３９歳の時に

脳の手術をして寝たきりになっちゃいました。

 

それで病院での治療やリハビリも

ひと通りやって、自宅に戻ってきたんです。

 

 

家での介護が始まるのですが

わたしも初めて。

 

兄も障害と付き合うことや受け入れることが

難しい時期だったのと、

 

認知症の症状も強く出ていたので、

とても怒りっぽかったんです。

 

 

ある時、わたしがランチの用意をしてると

ベッドから

「早せぇーー！！」

「早せぇーー！！」

乱暴な言葉が飛んでくるんですよ。

 

 

それを聞いて、

トコトコ、

ベッドサイドまで行って

 

「今、急いで準備してるから、

　もうちょっと待っててなぁ」

 

「うん、わかった…」

 

そして、また準備を

セッセッとしていると

 

またまた

「早くーー！！」

「早せぇーー！！」

「早せぇーー！！」

 

と怒鳴られるわけです。

 

 

当時は、小っちゃく刻んだり

とろみをつけたりした食事で

 

準備にめちゃんこ

時間がかかったんですよね。

 

しかも、自宅介護初心者ですから

慣れていないので

いっこいっこが、おそーい（笑）

 

でもでも、

自分では一生懸命に

スピード上げて頑張ってたつもりが

 

「早せぇーー！！」

「早せぇーー！！」

 

その言葉に・・・

ブッッチーーーン

 

わたしも
ブチギレてしまいました。
（はい、やっちまいました…）

 

「お兄ちゃん、わたしも一生懸命にやってるのに
  早せぇーー！！早せぇーー！！言うなーー」

「ちょっとでも早くしようと頑張ってる。
わたしも、お兄ちゃんのために頑張ってる」

クゥッ～

 

あまりの怒りに

わたしも涙目ですよ。

 

でもでも、

わたしは衝撃をうけちゃいました。

兄の反応に！！

うるうる

兄の目に

「悲しみ」が溢れてた。

 

 

その時、ハァァーーーと

我に返ったというか、

 

あ、そうか。

兄だって
怒鳴り散らしたくて
大声を出してるんじゃない。

 

もちろん

自分でできるのなら勝手にやるだろう。

 

誰の手も借りずに、キッチンに行って

自分でご飯だって食べてるだろう。

 

でも、今はそれができない。

そうしたくても、できない。

 

できないから

人にお願いしてる。

 

別に、人にお願いしたいわけじゃない。

自分でできるなら、自分でやりたい。

 

 

兄の怒りの下に隠れてた

「悲しみ」
「もどかしさ」
「悔しさ」

 

そういったものを垣間見たとき

 

兄サイドに
心を寄せたとき

 

兄もわたしも同じだった…
と思った。

 

ただ…
わかってほしかった。

 

わたしもわかってほしかったし、

兄もわかってほしかった。

 

 

兄もわたしも、

当時はいっぱいいっぱい。

 

新しい生活になじもうと

がんばってたし、

 

たくさんの混乱の中、

それでも生きようと努力してた。

 

自分自身がブチ切れたときは

「わたしは大変なのだから！！」

 

と声を大にして

言いたい気分だったけど、

 

反対側の窓からのぞいた世界は

「お兄ちゃんも大変だ！！」

だった。

 

兄だって大変なのだ！

 

兄もわたしも

がんばってたし、よくがんばった！

 

いっぱい褒めてあげたい。

 

１０年前の介護で

ブチギレた当時の自分振り返って

書いてみました～

 

 

読んでくださって

ありがとうございます。

 

 

 

 

毎月3名様まで、